IMS(=International Music Summit)は、ダンスミュージックシーンの発展のために2007年に設立され、毎年IbizaやLA、中国などでサミットやイベントを開催。ダンスミュージックシーンの将来のためにトップアーティストや業界関係者らが有益なディスカッションを行う場として、今やダンスミュージックシーンには欠かせない存在となっている。

 

 

今回IMS IBIZAで発表されたレポートから、今後のダンスミュージック市場を予測したい。前半パートでは、「レコード」、「DJとライブアクト」について。後半パートでは、「クラブとフェス」、「企業とブランド」に関してまとめたい。

 

【レコード】

世界的なレコード音楽の収入は、ストリーミングサービスとヨーロッパ以外の地域に牽引され、2018年に9.7%の伸びがあったことがわかった。

フォーマット別では、デジタルが21%の成長、地域別では、南米が17%成長でトップとなっている。

 

 

一方、ダンスミュージックに目を向けると、2018年はイギリスとアメリカで大きくシェアが低下したが、ドイツとカナダでは回復した。 アメリカという世界最大のマーケットにおいてはダンスのシェアは2年連続で低下。

 

 

最近のIFPIの研究で、18カ国16〜64歳の19,000人に対し、どのジャンルをよく聴くか聞き取りを行った。回答者の32%はダンス/エレクトロ/ハウスと答え、ヒップホップやラップ、R&Bをおさえて3位となった。これを世界人口の16〜64歳に当てはめると、15億人以上がダンスミュージックを聴いていることになる。

 

 

また、beatportのジャンル別だと、テクノが最も人気のジャンルとなっている。”Melodic House & Techno”は、提供開始からたった1年で5位に迫っている。

 

 

視点を変えて、ゲーム業界に目を向けると、 ビデオゲーム産業は音楽業界の7倍以上の規模であり、ダンスミュージックのDJやアーティストにとって絶好のチャンスを提供していると言えるだろう。

GTA:ナイトクラブのレジデントDJとしてDixonなどがフィーチャーされている

フォートナイト:Marshmelloがバーチャルライブイベントで1000万人のプレイヤーに向けてライブを行い、コスチュームやアイテムも登場した。

Secret Lab:Deadmau5が公式ゲームチェアを開発し、ULTRA2019でも使用。

 

 

次回、パート2では、 DJとライブアクトについて解説したい。

 

 

パート2へ

 

BACK TO TOP