アメリカの2人組THE CHAINSMOKERSは、これまで音楽業界が見てきたデュオの中で間違いなく最も勢いのあるうちの1組だ。彼らの成功は多くの人々を長らくインスパイアしてきた。それは、彼らが一夜にして世界を席巻してきたように見えるためである。当然、すべてのサクセスストーリーには想像を超えるハードワークが背後にあるのだが、表立って語られることは少ない。人気アーティストは運だけで登ってきたような印象をしばしば与えるが、それはかなり稀なケースである。フェスのヘッドライナーになるには努力が必要だ。それもかなりの。 

 

THE CHAINSMOKERSは実にあっと言う間に現在の地位に辿りついた。彼らの2作目”#SELFIE”はそれこそ一夜にして世界中に拡散した。そして間も無く、彼らは”Kayne”, “Let You Go”そして”Roses"を立て続けにヒットさせ、増え続ける忠実なフォローがヒットにつながることを証明した。2016年、2人は文字通り世界を席巻した。世界的ヒット”Dont Let Me Down”はSpotifyで10億回以上再生され、その年の最も人気の曲のひとつに選ばれた。この成功の表面は間違いなく彼らのマーケティングとライブパフォーマンスだった。これによって彼らはスピーディーに世界的に知られることになった。この記事では、THE CHAINSMOKERSがこのような幅広い成功を収めるに至ったメソッドと世の中のアーティストがそれらからどのように学びを得ることができるか、ということについて掘り進めていく。 

 

 

創成期のTHE CHAINSMOKERSを振り返ってみると、Alex PallはDJを続けてきた一方で、Drew TaggartはDJに興味を持ちながらオリジナル曲をSoundcloudへアップしていた。2人が出会う前の話だ。2014年、‘#SELFIE’をリリースして数ヶ月後、Terminal 5でTimefliesのサポートアクトとして2人は初めてのライブパフォーマンスを行う。ここから特に学べることは、キャリアを積み始めて間もない時期だとしても、常にチャンスに対してオープンでいることの必要性だ。どんなに小さなイベントやバーの無料イベントだとしても、自分たちの音楽が人の耳に入ることの価値を甘く見てはいけない。 The Chainsmokersは恐れることなくそこに飛び込み、彼らの音楽を世界とシェアしたのだ。全てのアーティストが持つべき意識である。 

 

「関係を構築する」 

出会った人々と関係構築をすることはキャリア初期では重要ではない。いきなりアリーナ公演ができるアーティストなどいない。タダのイベントでパフォーマンスを行うことと同じく、一緒にショーを行った全ての人々に長く続く良い印象を残すことを心がけて欲しい。クラブのオーナーだろうがセキュリティスタッフだろうが、常に全員を同じレベルのリスペクトを持って接することを忘れないようにするのだ。ネガティブな出会いがいかに後に影響するか知らない人が多い。人はおしゃべりだから、悪い意味で名前が広まってしまうことは避けなければならない。実にたくさんのDJ達がメインストリームで活躍することを狙っているため、その大勢の中で良い意味で目立つことは必須である。 

 

「SNS」 

対面で良い印象を残すことと同じように、SNSで圧倒的な存在を示すことは、知名度を上げ、より多くのギグに出演するために大切である。 The ChainsmokersのSNSを見てみると、彼らのブランディングはすべてのプラットフォーム間で内容が統一されており、初めて見た人でもシームレスに閲覧できるようになっている。SNSでの存在感を強固にすることは、必ずしもフォロワー数に頼らなければならないわけではない。大勢のフォロワーがいてもコンテンツや見栄えが貧弱なアカウントは、質の高いコンテンツに裏付けられた少数だが懸命なフォロワーを持つアカウントほどの価値はない。比較的少ない視聴者でも、SNS上で質の良い存在感を示せれば、あなたのブランドを効果的に宣伝することは可能なのである。 

 

 
 
 
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What a life @chirag_72

The Chainsmokersさん(@thechainsmokers)がシェアした投稿 - 2018年 5月月3日午前9時57分PDT

 

後編は、アーティストとして必須となるプレスキットや経験についてを語りたい。 

 

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