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#3 Martin Garrix

マーティン・ギャリックス

マーティン・ギャリックスがこの数年間、EDMフェスで合法的にアルコールを飲めなかった…なんて信じられるだろうか?現在19歳の彼がTop 100DJsで初めて40位にランクインした2013年、彼はほとんどのナイトクラブに入場さえできなかった。しかしその若さは、今年トップ10入りしたDJ達と比べて怖気付かせるものじゃない。何かあるとすれば…大衆の気を引いて、爆発的人気を後押ししたものだ。1996年、ちょうどアムステルダムの外側に位置するアムステルフェーンで生まれたギャリックス(本名:Martijn Garritsen)は様々な点で、EDM世代のシンボル。彼は2004年、アテネオリンピックの開会式で今や仲間であるオランダ人DJ・Tiëstoのプレイを目撃した後、音楽の啓示を受ける (そのサウンドトラックは初めて買ったCDだって)。

 

ギャリックスが、ダンス・ミュージック界に現れたことは意味深い…10年後、クラブに足を踏み入れさえする前に、スタジアム・サイズの会場を満員にしてプレイしたというのだから。ファンの多くと同じく、彼のダンス・ミュージック体験は主に、クラブよりもフェスティバル。大規模なイベントのサウンドと光景は間違いなく、自身の作品を形づくっている。こないだSPINのインタビューでどのアーティストにインスパイアされたか訊かれると、Dillon Francis、Bauuer、Flosstradamus、そしてもちろんTiëstoの名を挙げた。つまり、ハウスやテクノの創始者をきわめて小さく捉える第一世代に属してる、ってこと。非難できないでしょ?

 

代わりに、彼らは全く異なる師を持つらしい。Daft punk、David Guetta、Diplo、Skrillexなんかがそのベースとなっている。ギャリックスの成功は、言ってみればEDMの一般人であることから始まった。まるでTomorrowWorldの客から無作為にひとり選ばれたような…もしかしたら、Alfie Deyesよろしく型にはまったYouTuberになっていたような。Tiëstoは、ギャリックスについて2013年の「インスピレーション」と言う。色んな意味でごく平凡、目立たない19歳のギャリックスはある意味、インスピレーションだね。フェイバリット・ソングは、‘PharrellのHappy’。EDM.comに話した理由は、それが「僕をハッピーにするんだ…プレイする度に」

 

好物は、トマトもオニオンも抜いたチーズバーガー。…そう、だからEd Sheeranを「天才」と形容してしまう。それからいたずらな一面を引き出そうとしたPlayboyが、もしやってのけるならどんな犯罪?なんて質問をした時さえ、少年はこう答えた。「ビールを飲むよ」ティーンエイジャーの白人男子が何千人と、DJスーパースターダムへの計画を練り上げる一方、地味なギャリックスにそんなものは白紙状態。

 

しかし唯一、Beatportチャートに作品が上がるのは…EDMの名声は、ギャリックスの手の内だ。Zac Efronの暗〜いEDM映画"We Are Your Friends”を見てしまえば、もう夢もくそもないね。7月に‘Break Through The Silence’ をリリースし終えた彼は、スタジオに戻って朝から晩まで曲作り。先日、将来のプランについてインタビューされると、「世界征服」。


 

ここ2、3年に肩を並べた濃いメンツと比べて、ギャリックスのキャラクターはかなり控えめ。アクの強い奴らでいっぱいのジャンルで、この真面目さは奇妙に映る。今年初め、彼はUsherとのコラボレーション曲‘Don’t Look Down’のMVで主役を張った。カントリークラブで客にタオルを渡す係員を演じたのだ。腰を突き上げ、水上ウォーキングにダンス・ルーティーン、プールサイドでくつろぐ女性の機嫌を取ろうと試みるもことごとく失敗。当然、二頭筋を曲げてみせる体育会系(気取り)より、タオルボーイ姿が似合ってるよね。

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