ソフィアの有名なナイトスポットを手掛けたKliment Yonchevの話によると“ブルガリア人にとって、Yaltaは全てが始まったところだ”と言う。マーケティングラインからほど遠いのがこのクラブの歴史を考える時のポイントになる。2005年に再オープンしてから、Yaltaでのパーティーは、誰かの家で行われるようなアットホームに近いものとなり、家具、照明、スピーカー、間取りに至るまで全てがプライベートパーティーのような粗削りの印象があった。

 最初はお祭り騒ぎが大好きな仲間によって、1959年に初めて始まり、1989年から3年間、ブルガリア初の国際的なDJ達がいたことは言うまでもなく、初めてブルガリアでデジタル音楽を目の当たりにした場所だという事を付け加えれば、ここがいかに特別な場所であるか分かって貰えるはずだ。

 常に最新のものを取り入れるYaltaは、現在アンダーグラウンドに焦点を当てており、そのメインルームは予約に応じて昔をしのばせる産業ホールになっている。レジデンスのLiubo Ursiny、Stefan Popov、Runo、Philip Chernikov は金曜日を担当、ゲストのNOIR、ブロンドのディクソン、Tiga、Roger Sanchez、Ricardo Villalob、Subb-An は大皿に盛られた料理と一緒に毎週土曜日に出演する。これが、1年間このクラブを取材し見てきた感想だ。