DJの何人かは南アメリカを「新興地域」である言い張っているが、Sirenaがエレクトロニック・ミュージックを23年間提供して来たことを考えると、ブラジルが更に古いルーツを持っていると分かる。

サンパウロから車で何時間か移動し、マレシアの街にある小さなビーチにあるSirenaは、ブラジルの経済首都の喧噪から離れたクラブの楽園のようだ。素晴らしいメインフロアはまだ閉まっているのだが、クラブの二つ目のステージも間違いなくひけをとらず、ブラジルの一年中暖かい気候を強みにし、屋外のダンスフロアは周囲を木々で囲まれ、太陽が登ると共に現実逃避の雰囲気も加えて、クラブ全体はジャングルに隠れるようにしてある。

レジデントのPresskitがクラブのメインの音楽がどんなものかヒントを教えてくれる。キーキー音と電子音がちりばめられた弾力性のあるベースがリードのエレクトロハウスだ。だから予想できるとは思うが、去年大人気だったDJはAfrojackで、Spinnin’s Vinaiも同じくヒットした。しかしメインフロアだけが賑やかではない。Martinez BrothersとKolomboはグルーヴを中心とした冒険も需要があることを示し、クラブのカーニバル祝いと年に一度のWhite Partyも人気をとどめ、ここは一年を通して満員だ。