イギリス出身のChicane(シケイン)は、今日までトランス界に様々なヒット作品をリリースし、トランスシーンを席巻してきた。Chicaneの作り出す音楽は、予測をすることが難しい熱情的なサウンドが多く、現在のトランスシーンの礎を作ったと言っても過言ではない。世界が認める歌姫・マドンナを差し置いて、UKチャート1位にランクインした「Don’t Give Up」から早16年。Chicaneの今後のリリース、DJMagについて訊いてみた。

 

Q1. アルバム「Twenty」のリリースを聞きましたが、このアルバムの発表は感無量ではないかと思います。このアルバムについて、お話を聞かせてくれますか?

もちろん! アルバムのタイトル通り、20年もの間僕は現役だったわけだけど、実施のところ、どうしてこんなに長く続けてこれたのかよくわからないな。アルバムは、僕の現役時代のスナップショットという位置づけで、昔のヒット作も挿入してるし、そういったクラシック作品を最近のDJやプロデューサー達がリミックスしたものも入ってるし。そういう意味で、このアルバムは、過去に片足、もう一方は未来に置いてるって感じの作品だね! この20年の集大成というべきアルバムは、僕の同期達がだいぶ前から一線を退いているっていう事実と合わせて、皆には理解してもらいたいマイルストーンだと思ってるよ。あと、もう1つの大事な点は、このアルバムでChicaneの活動が停止するということではなくて、“プロジェクトChicane“が新たな章に突入するってことだ。

 

 

 

Q2. あなたの活動20周年の祝いのイベントがあるのではないかと期待しているのですが、アルバム“Twenty”のツアーだとか、特別企画はありますか?

9月9日、僕のフルバンドメンバーで、ロンドンのKokoで1回だけの特別公演を予定しているよ。それ以外のスケジュールとしては、いくつか挙げるとしたら、ブダペスト、LA、オーストラリアでの公演かな!!!

 

 

Q3. 日本での最後の公演が2013年でしたが、当時、日本の観衆についてどう思いましたか? また日本で演奏したいですか?

今のところ、最初で最後の日本での公演は、ageHaでのイベントだね。最高だったよ。もう一度、日本で演奏できる日を待ち焦がれているよ。日本の観衆の反応もノリノリだったし。

 

Q4. これまでに多くのアーティストと共作してきましたね。特に、トム・ジョーンズ、ブライアン・アダムスや、モヤ・ブレナンといった、ジャンルの異なる音楽家との共作について、どんな印象を持っていますか?

僕がいままで経験したコラボ作業は、毎回、全く異なる経験だったと同時に、全て成功できたと思う。正直なところ、スタジオ入りするまでは、どんな風に作業して、どんな作品になるのかなんて、全然わかんない。だけど、僕は自分なりのポリシーがあって、とにかく、ダンス音楽以外のアーティストと、色々試してみる、って決めてるんだ。だからこそ、ちょっと面白い作品が出来上がるし、それが共作の目的なんだから。

 

Q5. 最初におこなったギグについて、何か覚えていることはありますか?

そうだな。エディンバラのArchaosって名前のだったかな。部屋全体が円形だったのは覚えてるんだけど。あやふやだけど、僕のギグが良かったなんて気がしないよ。多分、確実に、酷い出来だったはず!!!

 

 

Q6. 今後の活動の目標はなんですか?

映画のための曲を書きたいね。当然だけど、Chicane向きの作品じゃないとダメだけどね。

 

Q7. 日本にも、音楽プロデューサー志望の多くの若者がいますが、先輩として、彼らにコメントをもらえますか?

OK! そーだな。要するに、メロディ、あと、音楽が刺激的ってどういうことか、という2点の理解に尽きるかな。これが理解できたら、次は、最新のグルーブに流行りのカッコいいビートとうまくパッケージ化して、最後に自分流のテイストを注ぎ込む。このプロセスを修得するには、結構時間がかかるんだけど。あと、必要な知識をもっていることは、なんだかんだいって一番強いな。

 

Q8. 日本のファンへメッセージをお願いします。

日本のクレイジーな仲間達、すぐ戻ってくるからなっ!!!!!

 

ロンドン郊外のバッキンガムシャーで生まれたChicaneは、幼少期から失読症で、譜面を読むことすら儘ならなかった。しかし、彼の生まれもった才能と努力の成果は、煽情的なサウンドに魅了されるファンの数を見れば一目瞭然だろう。先月発売されたChicaneのコンピレーション・アルバム「Twenty」。世界がどう変わろうと、自分は自分のサウンドに集中すると語るChicaneに今後も注目だ。

 

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