ニューヨークで生まれたErick Morilloは、10歳の時、近所の友達の影響でDJの虜に。独学で練習し、DJ活動をスタートさせた。多くの賞にもノミネートされたエル・ジェネラルの「Muevelo」のプロデュースに携わり、プロデューサーとしてその名を世に知らしめた。世界で最も必要とされるDJの一人であるErick Morilloに今後のリリース、DJMagについて訊いてみた。

 

Q1. 新曲「Oooh feat. Angel Taylor」が5日にリリースされましたが、新曲についてお伺いできますか?

「Oooh」は、とても才能溢れるボーカル・Angel Taylor(エンジェル・テイラー)を起用した僕のプロデュース作だよ。スムースなボーカルが入ったテック・ハウスのトラックで、ダンスフロアに誘い出すような仕上がりになってると思う。世界中で演奏してきたけど、「Oooh」はフロアを最高に盛り上げるし、ファンやDJ仲間からの受けもすごくいいんだ。

 

Q2. 音楽制作を始めたきっかけは何ですか? また、音楽制作を始めた頃に、いまのキャリアを想像できましたか?

6歳の時からレコードとかを集め始めてたよ。10歳の時、近所の兄さんがDJしてるのを見て、すぐに母親にターンテーブルとミキサーをねだったんだ。それから、独学でひたすら練習したよ。10代にDJ活動した後、NY私立メディア・アート・センターに入学して、音響エンジニアを目指したんだ。プロデューサーとしての初体験は、ニュージャージーでのローカルなギグだったかな。地元で演奏していた頃、僕がミックスした曲を知りたいって、エル・ジェネラルから声を掛けられたんだ。後で、それが僕の編集したミックスだって知って、アルバムのプロデュースをしてみないかと、僕を誘ってくれたんだよ。エル・ジェネラルの‘Muevelo’は大成功だったね。多くの賞にもノミネートされたし。

 

エル・ジェネラルのアルバムの仕事を終えた後、ハウスの曲を書き始めて、その後のキャリアはご存知の通りだよ。音楽の世界でキャリアを築けて本当に幸せに感じてる。かつては、こんなに多くの成功や個人的な目標を達成できるなんて、想像すらできなかったし。いずれ、母親に家を買ってあげたいという夢はあったけど、その夢を実現できて、本当に幸せだと感じてるね。あと、世界中を旅して、多くの人に僕の音楽で幸せになってもらえる機会を持てて、本当にラッキーだよ。

 

Q3. あなたに音楽的な影響を与えた方は誰ですか?

僕の母親は、僕が子供のころ、毎日ピアノを弾いてくれたんだ。彼女が僕に音楽の道を示してくれたのは確かだね。毎日ラテンのリズムを聞いて育ったことは、僕が作曲する際に大きく影響してるし。10代の頃は、リトル・ルイ・ベガや、フランキー・ナックルズ、トニー・ハンフリーにデヴィット・モラレスといったDJの影響をうけてたよ。

 

Q4. ご自身のレーベル・Subliminal Records(サブリミナル・レコード)のビジョンを教えて下さい。

Subliminal Recordsは、アンダーグランドや、テック・ハウス、ディープ・ハウスといったハウス音楽全般のアーティストにとって、レコード制作の際に声をかけたいレーベルとして、うまいこと地位を再確立できたと思うよ。レーベルの再出発は本当にうまくいったし、Armada Musicとのパートナシップも素晴らしく機能しているしね。Armada Musicは、サブミナルの音楽性や方向をきちんと理解してくれているし、何よりも、サブリミナルが正しい方向に進むのに多大な支援を提供してくれている大事なパートナーだ。 5月からは、2週間毎に継続的に新曲を発表していくよ。

 

それに、ハリー・ロメロの「ダンシン(ハリー・ロメロとドーリィのリミックス版)」や、ハリー・ロメロとロバート・オーウェンの「バック(Kölschリミックス版)」といった、サブリミナルのクラシック・リミックスもリリースしたしね。 クラシック・リミックスのプロジェクトは、マルティネス・ブラザーズや、ニック・ファンチェッリ、PirupaやEats Everything(イーツ・エブリシィング)といった大勢のプロデューサーが興味を示してくれて、協力してもらってるプロジェクトなんだ。このプロジェクトのコンセプトは、クラシックのリミックスを、今風のアレンジで新しい世代の観客に、楽しんでもらうことなんだ。 これからもどんどん新しい曲を発表していく予定だよ。今年の年末まで、新譜の発表スケジュールが決まっていて、僕はとても満足しているし、新曲に対するいろんな人からのコメント早く聞きたいね。

 

Q5. 今までで一番印象に残ったイベントは何ですか? その理由も教えてください。

忘れがたいイベントはいっぱいあるけど、一番といえば、2001年の911事件直後のイビザのSpaceでのパーティだな。僕はニューヨークにいて、当然、全部の空港が閉鎖されていたんだ。当時は、正直いって出国できるとは思っていなかったんだけど、本当に幸運にも、JFKが開港した第1便に乗ることができたんだ。なんとか、パーティ終了前の演奏に間に合うことができたよ。クラブでは、世界では何が起きているか知りながらも、皆、その瞬間・空間を楽しもうとしていたのを思い出すな。

 

僕はセットの終了間際に、フランク・シナトラの「ニューヨーク・ニューヨーク」を流したんだ。クラブに居た観衆からの反応は本当に胸を摘まされる思いだったよ。テラスにいた全員が涙を流し始めて、一緒に歌い出し、互いにハグしあって。星条旗を振る人もいたな。その時、クラブにいた全員がお互いに慰めあって、一つになった特別な瞬間だったよ。とても感傷的だったし、決して忘れられない経験だよ。今でも、その夜を思い出すと鳥肌が立つんだ。

 

Q6. あなたにとって、DJMagはどんな存在ですか?

DJMagは、いつも最新情報やダンスシーンで活躍しているアーティスト情報を提供してくれているよね。

 

Q7. 日本のファンへメッセージをお願いします!

日本のファンの皆さん。これまで応援してきてくれて本当にありがとう。近いうち、日本を訪れて、皆と一緒に一日中踊りまくる日を楽しみにしてるよ! LOVE!

 

Erick Morilloは多忙を極め、DJだけのスケジュールでも世界中で月に30ギグをこなしている。DJとして一流の技術を持ちながらも、ファンに対して、そして家族に対し、思いやりの気持ちを忘れない。彼が創りだす、次の一曲は一体どのような感動を私たちに届けてくれるのか、大注目だ。

 

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