ドイツとイタリアにルーツを持ち、テクノDJ/プロディーサー、そしてArasaレーベルのオーナーとしての顔を持つアンドレ・クラベリアは2年前に実はロンドンに住むつもりだったのだが、彼の様々なコネクションと友人達が彼をベルリンに留めた。「今はここで生活する方がいいんだ。」と彼はベルリンからDJ Magにそう語った。「ボクは本当にロンドンが好きなんだけど、ここのほうがボクには住みやすい。ロンドンもベルリンもエレクトロニックミュージックのヨーロッパの中心であることには間違いないしね。」

 

彼は、新しいトラックやリミックス、次にリリースするレコードを創作する有名なリバーサイドスタジオまでサイクリングで通う途中に、毎日のようにレコード店を探索する。彼の初めてのソロアルバムとなる「Alcatraz」は昨年リリースされた—ディープで複雑なテクノ風チューンの泡立つコレクションだ。「ボクにとって一番大事なのはボクのセットに本当に必要な音楽を生み出すことだ。ボクは自分がプレイしないレコードは絶対出さないよ。」と彼は言う。彼のアツいイベント「We Play Vinyl」は彼と同じDJシーンにいる同じ考えを持ったプレイヤー達を誘って立ち上げたまさに看板通りの冒険的プロジェクトで、これもまた彼のレーベルからリリースされる音楽に加えられている。

 

もう少し詳しく「We Play Vinyl」について教えてくれますか?

「2011年にリカード・ヴィラロボス、ガイド・シュネイダー、ボクと他のベルリンの友人たちとベルリンで開催したのが一番最初だね。ボクにとってはパーティーをオーガナイズするという事が大事だったんだ。君もまたライブアクションが出来るけど、ボクたちがライブアクションをするときは、彼は本当のライブをするべきなんだ、ラップトップだけとかドラムマシーンだけじゃなくて。だから、僕らの狙いは、単に2つのボタンを押す事だけじゃない。ボクはデジタルが悪いと言いたい訳じゃ無く、みんなに見せたいんだ — 全てがどうやって始まったか忘れないでくれ、知ってるだろ?もちろんボクが今現在もレコードをプレイしてるからこそ、今こそがDJ達が夜通しレコードをプレイするイベントを見せつける時だと思ってる。

 

では、基本的にはいつもレコードでプレイするんですか? それとも、デジタルでプレイする所にポイントがあるのですか?

「ボクはたまにCDをプレイする事だけで、それもそんなに多くないよ。最近は、レコードでプレイしたいと思う曲を全部手に入れるのは本当に難しいし、毎週末プレイしていると2~3回はレコードの調子が悪くなるのが本当に早い時があるから。後は、そうだね、自分で作った曲がクラブ内でどんな風に聞こえるか知りたい時は、CDでやらないといけないからね。けど、ボクは可能な時は90%はレコードでする。」

 

仕事のあとレコードを綺麗な状態で保管していると伺いましたが、どのようにしているか教えていただけますか? 実用的なアドバイスをお願いします。

「あぁ、これは本当におもしろくて、みんなこの事について冗談言ってるんだ。時々さ— ライブでプレイする時に針に埃がついてるのを見つけた時とかも —僕は水のボトルにセンターを入れるんだよ、まぁ僕がたまにする悪い冗談だね。あとは、ショーの後はレコードを本当に綺麗にしなきゃいけない。時々クラブの煙とかドリンクのせいでマジですごい臭いがするから。ボクは本当にレコードをシャワーで洗って石鹸と一緒に少し水に浸けたりするよ。レコードをプレイする時に少し濁った音がしたら、何か小さなゴミを取り損なってるよ。特に最近、TraktorとかCDだけとか、コンピューターをプレイしたヤツの後にプレイすると、本当にやりにくい。なぜなら… まぁとにかく、これがWe Play Vinyl partyを始めた理由だよ、そうすれば1晩中1つの音でやれるからね。マジでうるさいからなかなか難しいんだけどね。」

 

レコードの実用性とやたらと荷物が多くなることが、みんながレコードでのプレイをやめた理由のひとつですよね? デジタルへ以降するメリットがあった時に、一層魅力的になった。だけど、あなたにとってはそうではなかったのですか?

「全然無かったね(笑)。だって僕にとっては、レコード店へ行く事も、人とコンタクトを取る事も、カバーを見る事も全部DJの一部だから。もちろん、バッグは自分で運ばないといけないけど、時々手伝ってくれる友達もいるし。これは仕事の1つだけど、僕にとっては仕事というよりもパッションだね。まぁ言わなくても分かると思うけど。」

 

みんなが、バイナルは死んだ、バイナルは終わったと言っていた時がありましたよね。レコード店を閉めた人もいて、彼らは今も閉めたくなかったと思っています。たくさんの人がレコードから離れていきました。あなたは、みんながまたレコードに戻ってくると思いますか?

「たぶん何人かはね。けど、レコードのバッグを2つ運ぶ時がどんな感じかわかるだろう? スティックに音楽を入れれば何千通りものプレイが出来るし、コンピューターならもっとだよね。だから時々みんな混乱してしまって、流行のポップしかやらなくなるんだ。ボクの言いたいことわかるよね? 何人かはそれに気づいてレコードに戻ってくる人が居ると思うよ。そんなに多くは無いだろうけど。」

 

 

レコードをかけるときは持っているものでセットをかなり作りあげていますよね。

「そうそう、セットはボクにとっては物語を話すみたいなもんだよ。ボクは最低でも4時間のセットをプレイするのが好きだけど、セットを作り上げていって再び落とすのが好きだから、いつもそれが可能なわけじゃない。レコードだと完全にプレイが違うよ、だって時々針がジャンプして役に立たない時があるからずっと集中してないとダメだからね—ずっとついてないといけない。」

 

気をつけてないといけないんですね。

「レコードをかけられる良い音響を持ってなければいけないけど、たとえ良いやつでも音が低すぎたり針がジャンプしたりする事があるんだ。それは他のことかな、レコードでDJするためにそんなに多くのものは必要ないよ。」

 

創作系の仕事では、今は何をされていますか?

「ちょうど今、ボクたちの古い友人Einzelkindのためにリミックスをしてる。彼はコクーンファミリーの一人で、僕らがプレイしたいと思うアツいHot City Orchestra っていうプロジェクトをやってる。彼はちょうどボクらのためにトラックしてくれたとこだよ、実は彼も次のWe Play Vinylに出演してくれる事になってるからね。僕らのパーティーに何人かアーティストを呼ぶ事を計画してるんだ。彼らの音楽もいくつかかけるつもりだよ。の最新アルバムのリミックスもあるし。たぶんアルバムから自分のリミックスをやると思うよ。マジでレベルの高い良い音楽だから、これはみんなにシェアして欲しいね。はあんまりクスリとか気にしてないし、興味が無い。ただ単にクールな音楽を見せたいだけだ。」

 

ミックスありがとうございます、それって全部レコードですよね?

「そうだよ、レコードだけだ。もちろんポッドキャストもそうだし(それはそんなにゴールデンタイムのセットじゃ無いけど)、レイヴとか、Egg Londonでさえレコードでプレイするよ。その後は、絶対少しアガるぜ。けどポッドキャストには、車の中とか朝起きる時に聞けるような音楽も入れるつもりだよ。そう、それはの一面かな。本当に緩くスタートしてその後にアゲていきたいな。」

 

ベテランDJとして紹介されていますよね。たぶん全てのDJがそうなりたいわけじゃ無いかもしれませんが、けどそのおかげでやりたい事が自由に出来ますよね。

「うん、それは事実だけど、そんなに簡単な事でもないよ。クラブに入れば、すぐ求めてる音楽が聞けると思っている人もいるからね。はいつもの音楽を聞いてくれる人を捕まえるために中盤で登場しようとするけど、あなた達メディアはみんなと働かなきゃならない。それはいつも違うよね。は時々昔の人のほうが君たちを信頼してた印象を持つよ。今はパーティーがめちゃくちゃあるし、インターネットを使えばどこででもポッドキャストが聞けるから、客を捕まえるのが少しだけ大変になってきてる。まぁ。は自分の出来る限りの事をするし、それはだいたい成功してるよ。」

 

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