20年以上ダンスミュージックシーンで活躍し続けるイタリアのベニス出身のDJ・プロデューサーMARCO LYS。テックハウスの代表的なプロデューサーとしてMARCO LYSは世界で知られている。Sam PaganiniやMy Digital Enemy、Michael Gray、 Prok & Fitch、 Alex Kenji、 Funkerman、Chris Lakeなど長年ダンスミュージックに影響を与え続けているアーティストたちとのコラボでも話題となり、常に業界をリードし続けるMARCO LYSに、今回DJ MAG JAPAN独占インタビューを実施した。

 

Q1. 最新のリリースに関して、お答えください。何にインスパイアされて作曲されたのですか?

最近だと、複数のトラックをリリースて一番のお気に入りは 、“The Story Continues” だね。このトラックを聴く度に、今でも鳥肌が立つよ。

 

 

このトラックは、曲名からも分かる通り、Lil Louisのカバーであり、Lil Louisは僕のお気に入りのProducerの曲だね。普段から古いミックステープでこの曲を聴いていて、自分のBootlegを作ってDJ友達にシェアしようと思い、作業を始めたんだ。構成は、オフィシャルのとさほど変わりはしないけど、新しい味を出すためにヴォーカルをループしたり、初めて聴いた人は、頭から離れない、しつこい感じをイメージして作ったよ。

それで、このbootlegを自分のセットでも試す度に、DJ友達からもファンのみんなからも反応が良かったから、さらに良くしようと思い、知り合いのサックスプレイヤーFabio Dal Borgoに新たなスパイスを出してもらったんだ。それで、またDJ友達にプレーしてもらった感じかな。

それである日、Alex Kenjiが東ヨーロッパの大型クラブでこの “The Story Continues”を流していて、ダンスフロアにいるみんなの反応が、すごかったんだ。その映像を、彼がFacebookにアップしていて、それを見たアメリカのDJ/Producer友達、Harry Romeroからメッセージで「Marco、今すぐにLil Louisのbootlegを送って欲しい!」ときたんだ。Harry Romeroからのメッセージを断るわけにはいかないよね笑 

Harry Romeroもこのトラックを流すようになって、いろんな場所で流してくれるから、いろんな人たちの反応を聞くことができたよ。最終的には、Armadaの傘下にある彼のレーベルBambossaからリリースしてくれたんだ。Lil Louisとは、権利などで1年近く交渉して時間がかかったけど、このトラックに関しては、正解だったと思っているよ!

 

Q2. 今までリリースされてきたトラックと比べ、どのように今回のリリースは特別なのでしょうか?

今までリリースしてきた曲の中でも、いくつか本当に自分に意味のある、特別な曲もあるけど、この曲も2つの意味で特別だね。1つが、この曲を流すたびに放出される、共有できるポジティブなエネルギーだね。観客の前で流せば、言っている意味がよく分かると思うよ。

2つ目が、1つのジャンルに収まっていないということだね。HouseがメインなクラブやTech House、Technoといった3つのジャンルのクラブで流しても問題ないし、みんなも良い反応をしてくれるということ。あと、House、Tech House、TechnoのDJでもこの曲を流しているという事実。あまり好きな表現ではないけど、ある意味 ”コマーシャル”なトラックなのかもしれないね。

 

Q3. これから世界へと羽ばたいていくDJ達にアドバイスをお願いします。どのようにDJスキルを磨いたのでしょうか?

僕は、超がつくほどの変人だと思うけど、クラブに遊びに行くたびにDJブース付近にいて、DJのプレーを見たり、テクニックを観察したり、なぜあのタイミングで、あの曲を流したのかということを考えたり、ブース付近でなくても、僕の耳は常に流れている曲から次の曲へとミックスする技術などを細かく聴いていたよ。今でも、他のDJのセットを聴いたりするね!

 

 

Q4. どのように作曲、プロダクションを学んだのですか?

YouTubeのチュートリアルも無ければ、インターネットもない、周りにダンスミュージックを書いている人もいない時代から僕はやっていたね。学ぶ方法は限られていて、本を買って学ぶのとスタジオをレンタルして、他の人たちがどのようにやっているのかを見様見真似で習得するしかなかったよ。もちろん、昔の曲を聴けば分かると思うけど、多くの間違いを犯してきたよ。でも、それはすべて今の自分には、勉強、経験になっているね。

 

Q5. DJ MAG Top 100 CLUBS 2018が、発表されましたが、お気に入りのクラブを教えてください。

今までプレーしてきたクラブで、観客と特別な一体感を感じれたのは、Ministry of Sound、Ushuaia、バリ島のKu De Taだね。クラブじゃなくても、Goove Cruise Miamiでは、夕日が落ちるタイミングでプレーできて、これも鮮明に覚えているよ。

 

Q6. 日本のファンへメッセージをお願いします。

誰のキャリアにおいても、好調な時と不調な時があるから、常に自分を信じることが重要だよ。

 

 

昨年は、ロンドンのMinistry Of SoundやProud2、マイアミのSET、イビザのAmnesiaやUshuaiaなど世界的なクラブでパフォーマンスを行い、大きな反響を呼んだMARCO LYS。2018年のサマーシーズンも既にエキサイティングなプロジェクトでスケジュールは決まっているようだ。まだまだ若手に負けじと最前線で活躍し続けるMARCO LYSから今後も目が離せない。

 

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