人気の楽曲をダンスミュージック風にマッシュアップすることで有名なイタリア出身のデュオ・DJs from Mars。ダンボールの箱を頭に被っているその姿は一度見たら忘れることができない。2004年にデビューを飾った彼らは、Bimbo Jones、Sean Paul、Pitbull、Yves La Rock、Sophie Ellis Bextor、Fragma、Ciara Cascada、Coolio、Ennio Morriconeらの楽曲をリミックスし続け、徐々にその頭角を現してきた。今回そんなDJs from Marsに独占インタビューを実施、新曲や音楽創りについて訊いてみた。

 

Q1. 新曲について教えて頂けますか?

昨年、マレーシアで僕たちがDr.DreとSnoop Doggの”Still DRE”のリミックスをプレイした時がこの曲の始まりだよ。この曲が大ヒットした曲だと言うことは知っていたけど、あのクラウドを盛り上がりは予想していなかったんだ。だから、同じテイストの曲が必要だと二人で話し合って、早速スタジオに戻り、似たピアノのリフをプレイしてみたんだ。そのビートは最高だったね!それからXamplify(オーストラリアのラッパー)にライムを担当してもらったんだけど、それも素晴らしいものに仕上がったよ。

最後はシンガポール出身のTenasharに曲を仕上げてもらったね。マレーシアでアイデアが生まれ、ヨーロッパ、オーストラリア、シンガポールを経て完成した曲だからとてもインターナショナルな曲になっているよ。10年前では不可能なこの制作スタイルは、現在の人々の世界的な強い繋がりを表しているとも捉えることができるよね!

 

 

Q2. 今回の新曲を過去の作品と比べてみて、何か違いはありますか?

普段制作する曲よりもスロービートだね。僕たちのこれまでの楽曲の中ではこの手の楽曲は初めてかな。僕たちは基本的にEDMやElectroをプレイするんだけど、必ずいくつかのスロービートな曲をライブセットに盛り込むんだ。Electroは勿論のこと、HipHop, Trap, Dubstep等も僕たちは大好きでその要素を僕たちのトラックに取り入れたかったからね。これは新たな僕たちの挑戦だよ。今後はこのような曲の制作により一層取り組む予定だよ。

 

Q3. 最近のセットリストの中で必ずプレイする曲を教えて下さい。

LInkin ParkのWhat I’ve doneのリミックスをいつもかけているよ。Chesterが亡くなった後は、この曲をプレイするとクラブの雰囲気がいつもと違うようになったんだ。まるでクラウドがクラブにいるということを忘れ、人生や死について考ているような雰囲気にね。皆が盛り上がってダンスをただ楽しむ時間も大切だけれど、僕たちのライブセットの中ではそれと同様に感傷的な瞬間も大切にしているんだ。

クラブではそういった瞬間を演出することはとても難しいことだから、僕たちはいつもヘビーなビートとエモーショナルなメロディを使うようにしている。僕たちのショーに来てくれた人たちの記憶に間違いなく残るセットにするための最大限の努力をしているよ。

 

 

Q4. 楽曲制作をどのように学んでこられましたか?

僕たちが制作活動を始めて今年で15年が経つんだ。独学で数多くの失敗をしながら学ぶということの繰り返しだったよ。楽曲制作において、”正しい方法”はないかな。「曲を作り、人々の反応から学び、より良い楽曲を制作する」、これしかないんだ。技術的な部分でいうと、僕たちは毎日10時間スタジオにこもって技術の鍛錬をしているよ。それを続けていれば楽曲やDAWに対する知識も自然とついてくるんだ。もう一つは、制作環境の進化のスピードについていくために、常に新しいことを学ぶことも心がけているポイントだよ。例えば、5年前と今ではマスタリングの方法は全く別のものになってしまっているよね。だから、日々新しいVST Plugを試すことや技術の習得に挑戦しスキルを磨くことが本当に大切なんだ。

 

Q5. 今後コラボレーションをしてみたいアーティストはいますか?

たくさんいるよ!でも中にはレベルが高すぎて今はコラボできないアーティストもいる。僕たちはZwddやDeadmau5の大ファンなんだけど、彼らとコラボするにはさらなるスキルの向上が必要だよ。とにかく、もうすぐ、素晴らしい女性シンガーとのコラボ曲がリリースされるから楽しみにしていてね。

 

Q6. 日本のファンの皆さんへメッセージをお願い致します。

大阪でプレイをした日からもう2年が経つけれど、僕たちは会場やオーディエンスの皆さんから感じた熱気を忘れたことがないよ。今までの人生の中で1番美味しかった寿司。街を歩くことで得た感動。全てが素晴らしい体験でだったね。だから、また日本でプレイできる日が来るようにこれからも日々スキルを磨いていくよ!皆さん待っていてね!

 

 

David GuettaやCarl Cox、Bob SinclarなどのTOP DJたちがDJs from Marsの才能に惚れ込み、サポートし続けている事実を知れば、彼らのポテンシャルを簡単に知ることができる。世界中のステージに立ち続ける彼らは、ドイツ、イタリア、オーストラリア、アメリカ、ブラジルなど物凄いスケジュールで毎日のように世界を飛び回っている。再び日本でパフォーマンスする日を楽しみに待ちつつ、DJ MAG JAPANはDJs from Marsの活躍をこれからも応援し続ける。

  

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