IMS Business Report 2019パート3では、「クラブとフェス」に関してまとめたい。
【クラブとフェス】
まずは、アメリカからだ。より多くの人が音楽イベントに足を運んでいるということがわかる。フェスに関しては2018年と比べて最も伸びている。
Nielsenによると、人口の52%が2018年にライブ音楽イベントに参加したということだ。音楽フェスが最も高い伸び率で、2017年の18%から2018年には23%となった。クラブも18%から22%に増加した。これらの統計は少なくとも1つのイベントへの参加者数に基づいており、参加頻度は考慮していない。ダンスミュージックのファンは他のジャンルに比べてより高い割合(74%)でフェスに参加している傾向がある。
クラブの件数に関するデータだが、ここ最近減少傾向にあり、世界中でいくつもの人気クラブが閉店している。
イギリスのクラブの件数は2013年から2017年までの間、毎年-1%となったのに比べて、2018年12月までの1年間では21%も減少した。
ニューヨークのOutputなど、複数の人気ダンスミュージック系クラブが閉店に追い込まれている。
要因としてあげられるものは以下の通りだ。
・フェスなどの大型イベントの増加
・都市部の再開発と地価の上昇
・健康やウェルビーイング志向の高まり
・ SNSやマッチングアプリの人気
ラスベガスに焦点をあてると、2016年をピークに、ホテルのクラブとプールパーティーの利用客数は明らかに減少している。
2016年には、ラスベガスを訪れた人のうち、15%がホテルのナイトクラブに、11%がデイクラブのプールパーティーに行ったと答えた。 この数字は、2018年にそれぞれ7%、4%に落ちている。新しいクラブのオープンが少ないためかもしれない。 新しいクラブKAOSは、2019年人気DJを何人もレジデントに指名し、来店者数を大きく伸ばすかもしれない。 ラスベガス開催のイベントArt of the Wildは、ダンスミュージックの新たなジャンルを提示し、人気を増している。
一方ベルリンに目を向けると、最近の調査でベルリンの280のクラブのうち40%がテクノをかけていて、来場者は1日で平均200ユーロ(¥25,000弱)を消費することがわかった。
Club Commissionの調査は、ベルリンにおけるクラブシーンの重要性を強調している。 280の会場は昨年€168百万を売上げ、9000人以上の雇用を生んだのだ。
最も人気があるのはハウスとインディー、その次にテクノ。 これらのクラブへの来場者は、クラブ、バー、レストラン、ホテルなどで最終的に1日平均€200使っている。
次回、最終回のパート4では、「企業とブランド」に関してまとめたい。