IMS Business Report 2019パート1に引き続き、パート2では「DJとライブアクト」についてまとめていきたい。

 

【DJとライブアクト】

所得に関して注目すると、高所得DJたちの推定収入が大きく下がった年であった。トップ10の合計2億6100万ドルは2013年以降で最低レベルだ。前年と比べると12%減少している。

Calvin Harrisは、4800万ドルでトップに留まり、2017年の4850万ドルと大きく変わらなかった。 The Chainsmokersは、前年比で20%と最も大きく伸び、4550万ドルで2位。 ほとんどの高所得DJは年間100本以上のショーを行なっているが、Steve Aokiに関しては200本以上行なっている。

 

 

フェスティバルに関して、女性テクノDJたちが2018年のフェスシーンを席巻したと言っても過言ではないだろう。Nina Kravizは最も多く公演を行なったバンドThe Killersの約2倍の本数をこなしている。Amelie Lensは、27本で2位となったが、昨年2017年の4本からは大きな成長であったと言えるだろう。 Charlotte de Witteは、24本で4位と、トップ5に残った。

 

 

Nina、Amelie、Charlotteはインスタでも大健闘。YouTubeとSpotifyはトップ5のDJよりも急上昇した。Charlotte de WitteはすべてのSNSで最も高い成長を見せ、 彼女のInstagramとYouTubeでの成長は、1位のMarshmelloよりも高い結果となった。

 

 

 

Amelie Lensは、今や1年前の2倍、SNS上でファンを獲得している。デイリーベースでは25周年のTime Warpの直後に4倍に跳ね上がった。

 

 

主要なグローバルブランドがTVコマーシャルキャンペーンにおいて、女性アーティストを起用していることもわかる。 

 

 

Pitchforkによると、2018年はフェスティバル出演アーティストのうち女性はたった19%だったが、2022までに150以上のフェスで50%に引き上げることを目指しているという。

現状、男女比50:50だったのは3つのフェスティバルだけだったそうだ。

また、いくつもの組織がこの不均衡の解消に取り組んでいる。

 

・Keychange – 2022年までに男女比50:50を目指し活動。現在150以上が登録している。

・#bookmorewomen – ラインナップのポスターを使用して、不平等を可視化して伝えている。

・shesaid.so – 13,000もの女性(自認を含む)音楽家のネットワークを促進している。

 

 

また、メンタルヘルスに目を向けると、73%のインディーズミュージシャンが、失敗する不安や様々な理由によってネガティブな感情を経験したことがあるという。

制作活動に関係して、ストレス・不安・鬱などネガティブな感情になったことがあるインディーズミュージシャンの割合が、73%。

そのうち、否定的なプレッシャーとストレス、不安、鬱症状を訴えている一方で、パニック発作の症状がある人の割合が、33%。

失敗する不安、経済的不安、成功へのプレッシャー、孤独、他人に評価されること、達成へのプレッシャーなどがそれらの症状を引き起こすこともわかった。

 

 

次回、パート3では、 クラブとフェスについて解説したい。 

 

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