レーベルとの契約を勝ち取るための確実な方法を、優しいTo Doリストとともにお伝えする「レーベルとの契約を勝ち取るための確実な方法」シリーズ。
パート5では、友好関係の構築についてを考えてみたい。
◆友好関係を構築する
新たなビジネス関係の構築における私なりのアプローチを紹介しよう。ここでの目標は友人、少なくとも知り合いを作ることだ。
あなたのことをよく知ってもらい、友好関係を築かなければならない。これは後々作品を提出するときに優先的に扱ってもらうためでもある。
前項で作ってもらったリストのレーベル5社すべてにこのアプローチを使って接触してみてほしい。そうすれば運が良く初めに会った人が他の担当者に繋げてくれるかもしれない。
ネットワーク作りというものはこのように小さな積み重ねが功を奏すのである。
心に留めておいて欲しいのは、関係を築くことには時間がかかるということだ。作品を提出する少なくとも2週間前までには動き始めるべきである。
急いでやろうとすると、十分な時間が足りず思ったような利益を得られないだろう。知り合ったばかりで、いきなり直接的な頼みごとをしてしまうと相手にはよく思われない。
次のステップを5社のレーベルとその関係者に対して実践してみよう。
1.接点を作る
もうあなたは、前回のパート3で、レーベルやその中の人の見つけ方もわかっているはずだ。次は彼らと繋がる段階だ。しかも、どこにいても繋がれるようにする。
まず彼らのTwitter、Facebook、Soundcloudをフォローしておく。レーベル関係者の名前を知っていれば、彼らのFacebookアカウントに友達リクエストを受け入れてもらおう。
しかしそのためには…
2.直接やりとりする
レーベル関係者のアカウントを見つけたら、彼らと公でやりとりをすること。Twitterなら、@をつけて頻繁に返信を書いてみよう。
投稿の内容に反応したり、彼らの喜びそうなことについて触れたり、ただ挨拶をするだけでもいい。
これらはすべて会話を続けるための基本的な手法であり、他のグループの人にあなたの名前やアカウントを知ってもらう方法でもある。FacebookやTwitterであまりうまくいかなかったとしても、メールアドレスを知っていればそちらでもいい。挨拶から始めて、相手の最近の投稿やリリースについて書いて送ってみよう。
あなたのメッセージに価値を見出してもらえるような内容を心がけよう。他にも、手紙だってやりとりのきっかけになってくれるかもしれない。
オンラインで信頼関係が築けて(もう一度言うがこれは時間がかかることだ)、プライベートな話ができる仲になったら、Facebookの友達リクエストを送ろう。
この過程で関係してくる内容として、営業活動においてやるべき/やってはいけないことについては後日説明する。
3.実際に会う
レーベルや関係者が地理的にあなたの近くの場合は、実際に会うことを強くおすすめする。大きすぎない規模のレーベルなら、直接オフィスへ連絡してA&Rと話をさせてもらい、自己紹介とともに直接会いたい旨を伝えよう。
まずはメールを送るように言われるか(この場合はA&Rのメールアドレスを入手できる)もしくはそのまま約束を取り付けることができるだろう。
もし取り合ってもらえなかったり、A&Rが外出していたとしても、直接話ができるまで繰り返し挑戦しよう。ただ繰り返しメールを送り続ける人間と何度もオフィスに足を運んでくる人間では後者の方が、断然、人に覚えてもらえるものだ。そこを狙おう。メールに関しては、手短に済ませること。自己紹介と作品へのリンクがいくつかあれば良い。
あとは、相手の活動に興味を持っていることと、あなたの音楽がいかに彼らのスタイルに合っているかを示すのも忘れてはならない。そして、一度会ってもらえないかお願いを伝える。名前だけではなく顔を一緒に覚えてもらいたいからだ。
一般的にはこれらが会うチャンスを得るための唯一の方法だ。勇気を持ってやってみよう!
4.人間関係を深める
これが最終的なゴールである。レーベルの人たちと繋がる過程で友達となることだ。「私はミュージシャンでとにかくあなたに作品聴いてもらう必要がある!すぐに聴いて欲しい!」という意識は一旦捨てて彼らと話そう。多少の笑い話でも交えて。
友達を作ることなんて簡単だと思っていただけるだろう。これは音楽ビジネスで一歩先に進むために必要なことである。
5.関係を続ける
会話を始めて、何通かメールやメッセージの往復ができたら、常にやりとりが途切れないように、絶え間なく連絡を取ることが重要だ。決してしつこく付きまとえと言うわけではないが、コミュニケーションの火を絶やさないようにしよう。より長い間会話を続けることで、一層距離が縮まるはずだ。
とにかくフレンドリーに、飾らず、じっくり時間の投資をする。そうすれば、いつのまにか接点などないと思っていたような人たちとのネットワークができあがっているだろう。
やってみれば簡単なことだ。実践してみて少し時間が経てば、もうデモを出せる段階まで来ているだろう。